南丹市国民健康保険 南丹みやま診療所における医師の確保について

南丹市国民健康保険 南丹みやま診療所については、「美山の医療の灯は消さない」との強い信念のもと、令和3年4月に公設民営から南丹市直営の医療機関としてスタートしました。
 前の運営組織であった「医療法人財団美山健康会」においては、医師である法人理事長に最終的な経営責任がかかり、まず、この負担を取り除くことも市直営化のねらいでした。
さらに、美山健康会では、外来診療とともに、介護老人保健施設(老健)を開設されていましたが、勤務する医師への負担が大きく、将来にわたって僻地医療を維持していくためには、可能な限り医師の負担を軽減し、勤務しやすい条件を整えることが課題でした。
この課題への対応としては、複数の医師を確保し、一人の医師に係る負担を分散することが必要となりますが、医師が都市部に集中するという医師の偏在化が顕著となる中で、医師の確保が極めて困難な状況であることから、当初は、外来診療のみとしてスタートすべく調整を行いました。
しかし、中村医師の入院病床設置への想いもあり、中村医師の想いに応える形で、なんとか、複数の医師に入院を担当いただく体制を整えることができ、入院病床4床を持つ診療所として開設に至りました。
 そのような中、令和4年11月に中村医師の体調不良に伴い、中村医師の意向を受けて、健康回復を最優先課題として入院病床を休止としました。
 1年半余りの入院病床運営などの経過を改めて見る中で、入院病床の維持については、主となる中村医師の大きな負担により、医療が維持されてきたことが見えてきたところですが、このことについては、中村医師からのオーバーワークの訴えもあるように、現在の体制での入院病床の再開は医師の負担が大きく、来年4月から施行される医師の働き方改革に対応できる状態ではないことが見込まれました。
4月下旬、中村医師より、他府県の医療機関より就業の依頼があり、その医療機関からは7月より来てほしい旨の依頼があるが、本診療所での入院病床の再開が約束してもらえれば、断ることを考えている。しかし、約束していただけない場合は、6月末を以って退職するとの意向が示されました。
南丹市としては、オーバーワークの解消と中村医師の体調管理への配慮を考え、複数の医師と看護師等の補充を進めていますが、確保については困難な状況であり、入院病床の再開を条件とされた突然の年度途中の退職意向の表明に困惑をしつつも、引き続き勤務していただけるよう勤務条件の引上げなどを提示するとともに、慰留をしましたが叶いませんでした。
南丹市としては、美山の地域医療の灯を消さないために、現在、医師の確保に向けて、私自ら医療関係者へあたるとともに、京都府や医師会への要望や京都中部総合医療センターに対しても協力を要請しているところです。
市民の皆様にご不安を抱かせていることは大変申し訳なく思っておりますが、美山の医療の火を灯し続けるために、関係者一丸となり全力を尽くしておりますので引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。

南丹市長  西村 良平

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地域医療室
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