Q95:上下水道料金について
ご意見
「下水道事業経営戦略」について
令和5年3月に策定された「下水道事業経営戦略」中の「投資・財政計画」の数値が変更されています。
変更により、補填財源不足が解消され、事業の危機的状況が緩和されたようになっております。
重要な変更であると思うのですが、「いつ変更されたのか」「なぜ変更されたのか」が気になります。
12月議会では、下水道使用料についての審議が行われると聞いております。仮に以前のかなり深刻な状態(大きな補填財源不足)に基づいて、使用料引き上げの提起がされていたとすれば、大きな問題となるのではないかと私は考えます。
回答
令和5年3月に策定した「下水道事業経営戦略」では、令和10年度には資金及び補填財源が不足する予測となっておりましたが、国の制度改正に伴い令和6年度より「資本費平準化債」という企業債の制度拡充があり、借金ではありますが一定の資金確保に目途がついたところです。
この拡充内容を反映させた「投資・財政計画」は作成しているものの、公表している「下水道事業経営戦略」自体は改定をしていないのが現状です。
「大きな補填財源不足に基づく使用料引上げの提起がなされていないか」というご指摘につきましては、この制度拡充を反映させた後の収支予測を基に検討を行っておりますので、現状から大きく乖離した使用料引上げの提起にはなっておりません。
下水道事業は過去から使用料収入で賄うべき経費を使用料収入で賄えていない「原価割れ」の状態で、一般会計から多額の繰入金(税金)をいただき、何とか事業運営をしてきております。
しかしながら、一般会計の財政状況も厳しく、今後この繰入金が減少していくこととなるため、人口減少による使用料収入の減少や物価高騰による経費の増加等の影響も鑑みながら、適正な使用料水準へと改定を行おうとしております。
ご意見
上下水道料金の改訂について
今回の大幅な利用料・使用料の改定の原因として、水道事業財政の厳しさが挙げられていたと思います。
具体的に言うと、それは「上下水道事業会計は、ともに数年以内に補填財源不足をきたしてしまう状況にある。したがって今すぐに引き上げ策を講じなければならない。」との理解でいいわけですか。
回答
人口減少等により料金収入が減少しているものの、物価高騰等により事業運営に必要な経費は増加しており、上下水道事業ともに「原価割れ」の経営状況です。
このままの状況が続くと、施設の維持管理や更新ができず、安定的な水の供給や汚水の排除ができなくなってしまうため、適正な料金水準へと改定を行う必要があります。
このまま料金改定を先延ばしにすると、料金の改定率がさらに高くなるだけでなく、将来世代に負担を先送りにすることとなりますので、危機的状況に陥るまでに対処するため、いま改定を行おうとしているものです
ご意見
「水道事業経営戦略」を改定した場合にはHP等で市民に公表し、また議会への報告が必要なのではないでしょうか。
回答
「水道事業経営戦略」につきましては、R6.3に改定をしており、ホームぺージにおいて公表し、議会への報告もさせていただいております。
ご意見
『原価割れ』の経営状況に陥っている自治体は全国で何%ほど存在していますか。
回答
全国的に原価割れをしている自治体の割合については把握しておりませんが、京都府内の水道事業の数値では、約86%が原価割れの状態です。
この割合から当市と同様に非常に多くの自治体が厳しい経営状況にあり、過去5年の間に料金改定をされている団体が多くあることも事実です。
他の自治体も公営企業として独立採算の観点からやはり料金改定により収入を確保し、安定した経営を継続できるよう努められています。
ご意見
南丹市の水道事業の資金剰余額は、近年減少傾向にはありますが、令和5年度で約25億円の資金があり、今後10年程度の施設更新や企業債の償還に充てることは十分可能と考えられます。
また、南丹市は近隣の自治体と比較してみても多くの資金額を保有しています。日本水道協会によれば、同規模自治体の平均内部留保資金は約9億円前後であり、南丹市はその全国平均を大きく上回る水準です。
確かに、人口減少により料金収入は年々減少してはいますが、その減少幅は年400万円ほどです。
「手持ちの資金」の計画的運用により、今すぐ(来年度)の値上げを回避することは十分に可能であると考えるのですが、いかがなものなのでしょうか。
回答
災害等の突発的な事象がなければ、10年程度は事業運営を行うことは可能であろうと見込んでおりますが、その間に保有資金は減少し続けることとなります。料金収入が減少しているだけでなく、物価高騰によって維持管理経費や施設の更新投資に必要な費用は増加し続けており、このままでは今後の経営状況はさらに悪化していく見通しです。また、ニュースでも取り上げられておりますが、全国的に災害等の突発的な事故や施設の老朽化に伴う事故が増加傾向にあり、当市においても突発的な事故が年々増加している状態です。
使用者のみなさまに安定的に水を供給し続けるためには、施設の維持管理や更新に係る資金、突発的な災害等に対応できるための資金を確保する必要がありますので、適正な料金水準へと改定しようとするものです。
ご意見
経営の健全性を示す指標として「流動比率」がありますが、南丹市は類似団体と比較して悪い状況にあるのでしょうか。
回答
類似団体と比較して、決して悪い数値とはなっておりません。
しかしながら、今後、施設の更新投資が必要となっており、企業債を財源に事業を行うこととなると、企業債の償還が増えることになります(流動負債の増加)が、資金(流動資産)は減少傾向にありますので、流動比率は下がっていく(悪化する)見通しです。
ご意見
市HPの想定問答では「いま改定が必要なのか。数年後ではダメなのか。」との問いに対し「数年後ではダメ」と読める記述となっています。ということは、今回の大幅な利用料・使用料の改定の原因として、「上下水道事業会計は、ともに数年以内に補填財源不足をきたしてしまうほどの厳しい財政状況にある。
したがって今すぐ(来年度)に引き上げ策を講じなければならない。」との理解でいいわけですか。
それとも「今後の推移によっては厳しい状況も予想されるが、今のうちに対処しておいた方が望ましい」との理解でいいわけでしょうか。
回答
上下水道事業ともに、ここ数年で補填財源不足となる見通しではありませんが、現在の料金体系を継続すると近い将来、資金枯渇に陥る見通しとなっております。
料金改定を数年先送りして、市民のみなさまへの負担が今以上に増えることとなるのか、今お示しをしております負担増でとどめるのかの判断が求められることとなります。
負担増の回避となるよう早い段階における対応が必要なため、今般料金改定しようとするものです。
秘書広報課
TEL:0771-68-0065

